RSウィルスとはなに?

RSウィルスとはなに?

【風邪を引き起こすウィルス】

RSウイルスは、正式にはRespiratory syncytial virus
(レスピラトリーシンシチアルウイルス:RSウイルス)と言います。

感染すると年齢を問わず、風引き起こす症状のウィルスです。

風邪は80~90%ウィルスです!

【小さな子供は重篤する可能性も】

新生児、乳幼児期(特に1歳未満)において非常に重篤な症状を
引き起こすことがあるため、注意が必要なウイルス。

出生体重が軽く小さく生まれたお子さんや、心臓や肺の
基礎疾患といった免疫不全がある場合には、重症化のリスクが
高いことも。

2歳以上のお子さんは軽い「鼻風邪」で終わることが多いですが、
1歳未満、特に6か月未満の赤ちゃんは重症化すること
がありますので注意しましょう。

保育園・幼稚園でRSウイルスが流行っているから心配と
受診される方がいます。

1歳を越えていれば多くの場合には重症化するリスクは
軽減していきます。

1歳になるまでに50〜70%のお子さんがRSウイルスに感染します
(2歳までにほぼ全員1回は感染します)。

何回も感染するのが特徴です。

RSウイルスはどこにでもいる風邪のウイルスで、大人でも
何回も感染し、年長児や大人に感染すると鼻の症状だけ
引き起こすようなウイルスです。

【流行期、症状】

晩秋〜冬〜早春にかけて流行します!

その年によって流行の時期や程度はちがいます。

RSウイルスに感染するといわゆる風邪の症状が。

感染者の咳、鼻水を浴びたり、触ったりすることで感染
(飛沫、接触感染)し、4〜5日の潜伏期を経て、
咳、鼻水、発熱などが症状としてでてきます。

発症前の4〜5日(潜伏期間中)から発症後10〜14日間ほど
でウイルスを排出しますが、時には1か月程度も排出に
かかる場合も。

注意しなければいけない症状は以下のとおり!

息を吐くときにヒュー、ヒュー、ゼー、ゼーと音がする
(喘鳴:)

顔色や唇の色が悪い、胸がペコペコとへこむような呼吸をする。

呼吸が速く、呼吸の回数が極端に増えている。

このような場合には、RSウイルスによって
引き起こされる重症な疾患です。

肺炎、気管支炎、細気管支炎などを発症している可能性が。

肺炎、気管支炎、細気管支炎を発症した時には、場合によって
は酸素投与、点滴などの処置が必要です。

入院し経過観察が必要な場合もあります。

生後3か月未満の赤ちゃんでは、典型的な症状が
出ない場合もあり、哺乳不良、活気不良、
無呼吸発作、チアノーゼ(皮膚の色が紫色になる状態)
などの症状を認めることも。

無呼吸発作は命にかかわる重篤な症状ですので、
細心の注意が必要な症状なのです。

【RSウィルスにかかってしまったら】

●RSウイルスの検査には、鼻水にウイルスが含まれて
いるかどうかを調べる簡易検査をします。

30分位で結果がでます!血液検査でもRSウイルスを
調べることができますが、結果が分かるまでに数日
かかるため、現在は簡易検査が主流。

重症化を見るための細気管支炎の検査は、聴診および胸部X線
(レントゲン)を行います。

【治療法】

有効なワクチンや治療薬はない!

RSウィルスには治療薬やワクチンはないのです。

そのため、熱が高い時には解熱鎮痛剤を使用することや、
咳が出る、痰がからむなどの症状がある時は、気管支を
拡げ呼吸を楽にする気管支拡張薬や、痰を切る
薬を使用した対症療法をします。

基本的な治療としては、自宅で安静にして過ごす
ことになります!!

肺炎や脱水症状、高熱や呼吸困難などの合併症状が
見られる場合は、入院して点滴や人工呼吸器を
使用した治療を行うことになってしまいます。

【まとめ】

RSウイルスにかかる重症化するリスクがあるか把握
してくださいね。

1歳未満のお子さん、特に6ヶ月未満では要注意。

早産児や心臓や肺に基礎疾患がある場合には注意しましょう

周囲の流行があり、お子さんがRSウイルスに疑わしい
感冒症状がある場合は注意が必要です!

特に重症化のリスクのあるお子さんでは早めに
医療機関を受診してくださいね。

キッズ, ママ

Posted by nao